キャンプでお米を炊こうとすると、焦げたり芯が残ったりして「うまくいかない…」って、経験ありませんか?
そんな時におすすめなのが蒸し炊き(水蒸気炊飯)。
鍋底が焦げにくく、火加減や時間管理もシンプルだから、初心者でもふっくら美味しいご飯が炊けます。
朝のキャンプで、炊き立てご飯とお気に入りのおかずを食べられたら最高ですよね。
この記事では、誰でも美味しく炊ける蒸し炊きの手順とコツを紹介します。
キャンプで蒸し炊きをするときに必要な道具
蒸し炊きはシンプルなご飯の炊き方ですが、キャンプならではの調理器具がいくつか必要です。ここでは初心者でも揃えやすい道具を紹介します。
蓋つきアルミクッカー(大小セット)
キャンプで蒸し炊きをするには、大小2つのアルミクッカーを使います。
小さいクッカーにお米を入れて炊飯し、それを大きなクッカーにセットして水蒸気で加熱します。
おすすめは 『スノーピーク/アルミパーソナルクッカーセット』。
サイズ感がちょうど良く、次に紹介する底網もぴったり収まります。煮込み料理や簡単な揚げ物にも使える万能セットなので、これひとつでキャンプ調理がかなり便利になりますよ。
底網(蒸し用)
蒸し炊きでは、小クッカーを直接火にかけないように「底網(蒸し用の網)」を使います。
これがあることで鍋底からの直火を避けられ、ご飯が焦げたり鍋にこびりつくのを防げます。
おすすめは 『キャンピングムーン/ダッチオーブン インナーネット 6インチ用(W13)』。アルミパーソナルクッカー小の蓋とサイズがぴったりで、逆さにして簡易蒸し器としても使える優れものです。
熱源(バーナーや焚き火)
熱蒸し炊きに使う熱源は、バーナーでも焚き火でもOKです。
大事なのは 水をしっかり沸騰させられる火力 と、20分ほど安定して加熱できること。この条件を満たせば、特別な道具にこだわる必要はありません。
ここではキャンプでよく使われる熱源を紹介します。自分のスタイルに合わせて選んでみてください。
コンロ(バーナー)
クッカーを安定して載せられるサイズなら、基本的にどのバーナーでも使えます。
おすすめは定番の 『SOTO/レギュレーターストーブ ST-310』。
コンパクトで扱いやすく、風にも強いので屋外でも安心。弱火調理も得意なので、ご飯炊きだけでなく炒め物や煮込み料理にも幅広く使えます。
固形燃料
固形燃料はダイソーなどの100円ショップでも手に入る手軽さが魅力です。
25〜30分程度燃焼できるタイプなら炊飯に十分ですが、環境によっては途中で火が消えることもあります。予備を多めに持っていけば安心です。
焚き火
ワイルドな雰囲気を楽しみたい人には焚き火での炊飯もおすすめです。
蒸し炊きなら細かい火力調整を気にしなくても大丈夫なので、気軽に挑戦できます。ただし、使用後のクッカーはススで真っ黒になるので、その点は割り切って使いましょう。
シェラカップ(計量用)
炊飯に必要な水の計量と、蒸し炊き中にクッカーの蓋の上に置く“重し”として使えます。
デザインは好みで選んでOKですが、100mlと200mlのメモリ付きタイプを選ぶと水加減が一目でわかって便利です。
おすすめはチタン製のシェラカップ。軽量で直火調理もできるので、食器の用途以外にもマルチに使えます。
キャンプで蒸し炊きをする手順
キャンプで蒸し炊きをする手順はとても簡単です。
お米を浸水させて分量の水を用意し、クッカーを重ねてセットして加熱するだけ。
沸騰後に20分ほど火にかけ、10分蒸らせばふっくらご飯の完成です。
それでは、実際の手順をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①小クッカーにお米を入れて浸水させる
お米はまずしっかり計量して研ぐのが基本です。浸水時間は季節によって調整しましょう。
- 夏:30分程度
- 冬:1時間程度
計量はいつもミニシェラカップでしています。
- すりきり1杯+20ml=0.5合
- すりきり2杯+40ml=1合
分量をあらかじめ小分けにして持参すると、現地で迷わずスムーズに炊飯できます。
②分量どおりの水を入れる
浸水していた水は一度捨て、新しく計量した水を加えます。
シェラカップのメモリを使うと便利です。
- 0.5合:100ml
- 1合:200ml
水加減は仕上がりに直結するので、正確に計量するのが美味しいご飯への近道です。
③大クッカーに底網と水をセットする
蒸し炊きでは、底網でクッカー小を底上げするのがポイントです。網がないと火が直接当たり、焦げの原因になります。
大クッカーに水を入れる量は“シェラカップ1杯(約300ml)”が目安。この水が蒸気となって、小クッカーを包み込みます。
④小クッカーを入れて蓋をし、加熱開始
大クッカーに底網と水をセットしたら、その中に小クッカーを入れて蓋をします。
炊飯中は蒸気の圧で蓋が浮きやすいので、水を入れたシェラカップを重しとして乗せておくと安心です。
さらに、重しに使った水も温まるので、調理後にみそ汁やスープへ再利用することもできます。
⑤大クッカーのお湯が沸騰したら20分程度加熱
お湯が沸騰したら弱火にし、20分ほど加熱します。
ただし、蒸し炊きはとてもザックリな炊飯方法なので
- 弱火にできない → そのままでもOK
- 20分より長く加熱 → それでも美味しく炊ける
このくらいラフにやっても失敗しません。
注意点はひとつだけ。大クッカーの水がなくならないか、途中で確認すること。水が切れると焦げや失敗の原因になります。
⑥火を止めて10分蒸らす
加熱が終わったら火を止め、そのまま10分ほど蒸らしましょう。
通常の炊飯ではタオルに包んで保温する方法もありますが、水蒸気炊飯では大クッカーのお湯が保温効果を発揮するため、特別な作業は不要です。
ただ置いておくだけで、ふっくらとした仕上がりになります。
⑦ふっくらご飯の完成!
蓋を開ける瞬間は一番ワクワクするところ。
炊き上がったご飯は、ふっくらツヤツヤで底の焦げもなし。
あとは好きなおかずやお味噌汁と一緒に、キャンプで炊き立てご飯を楽しみましょう。
蒸し炊きで美味しいキャンプご飯を作るコツ
蒸し炊きは失敗しにくい方法ですが、ちょっとした工夫でさらに美味しく仕上がります。ここでは特に大事なポイントを2つ紹介します。
大クッカーには水を多めに入れましょう
水が少ないと蒸発して空焚きの原因になりますが、逆に多すぎると沸騰するまで時間がかかります。
目安としては、シェラカップ1杯分(約300ml)がちょうど良く、安定して蒸し炊きができます。
蒸し炊きは1.5合まで
パーソナルクッカーでは1.5合までが無難です。
2合以上炊こうとすると、小クッカーから水が吹きこぼれてしまい、炊き上がりが固めになってしまいます。
2合以上を炊きたい場合は、ラージメスティンでの炊飯をおすすめします。
まとめ|”蒸し炊きで失敗知らず”
これまでさまざまな炊飯方法を試してきましたが、焦げ知らずで失敗しにくいのは蒸し炊きだけです。家族や友人にキャンプで美味しいご飯を食べさせてあげたい方は、ぜひ試してみてください。
また、他の炊飯方法もこちらで紹介しているので、自分に合った炊飯方法を見つけてみてください。