チタンブルーのマグに憧れて焼き入れをしたものの、思ったような仕上がりにならず結果は失敗…。チタンマグは安いものではないし、できることならリセットしたいですよね。
この記事では焼き入れに失敗したチタンマグを元の状態にリセットして、自分の理想のチタンマグに仕上げる方法を紹介しています。
私と同じ状態になってしまった方の参考になると幸いです。
チタンマグの焼き入れ失敗…
失敗というかあえて失敗したというか。本命のマグに焼き入れをする前にお試しで焼き入れしたものになります。半分くらいの高さまできれいに焼き入れできたのでこれはこれで満足の仕上がりですが、この焼き入れを元に戻すことができるのか実験です。


焼き入れをリセットする方法
リセットするといっても、今回試すのは物理的に酸化被膜を削り落とす方法。
チタンの加熱による色変化は、表面の酸化被膜が厚くなって特定の光の波長が強調されることによるものです。ということは、厚くなった酸化被膜を削り落とせば元に戻るのでないか?という考えです。
使用するもの
今回は身近にあるこの2つを使って酸化被膜を削り落とせるか検証してみます。
- 研磨剤(ピカール)
- 耐水ペーパー
作業工程
研磨剤(ピカール)で磨いてみる
ピカールは金属の研磨剤で、これで金属部分を磨くとピカピカになることから(恐らく)ピカールという商品名になっています。
メラミンスポンジにつけて擦ってみます。※使い込んだピカールなので汚くてすみません


結果はほぼ変化が見られず。おそらく番手がヤスリの#4000~#5000相当なので表面を滑らかにする程度しかできなかったと想定されます。
耐水ペーパーで削ってみる
ピカールではチタンの酸化被膜を削るまでに至らなかったので、より目の荒い耐水ペーパーで削ってみます。
#800

全体をまんべんなく削ってみましたが、何となく『薄くなった?』くらいの感覚です。
#400

目の粗さを倍にしてみると、明らかにチタンブルーが薄くなってきました。ただ、全体的に薄くなりますが、まだ赤や青が薄く見える状態です。
#240

家にある最も粗い目の耐水ペーパーです。これでほぼ完全といっていいくらいチタンブルーが消えました。
#1500(仕上げ)

だいぶ粗いペーパーで擦ったので、最後に目の細かいペーパーで仕上げます。使用感のあった汚れも取れて、ほぼ新品同様の仕上がりになりました。
完成!

あれだけ焼き入れをした部分でも、これだけ元の状態に近づけることができました。
リセット部の比較

左側は#800まで削りましたが、比較するためにそれ以降は削っていません。明らかにチタンブルーが落ちて元の色に戻っています。

底部は若干手を抜いたのでコーナーに青みが残っていますが、それでもだいぶ元の状態に近づいたと思います。
この後は再度焼き入れをして酸化被膜を形成することができるので、こちらの記事を参考に自分好みのチタンブルーを作ってみてください。

まとめ
『耐水ペーパー#240』で削り落とすのが最適解!
いろいろ試してみましたが、『耐水ペーパー#240』で酸化被膜を削り落とすのが一番効果的であることがわかりました。
作業自体は難しいことは何一つなく、必要なのは絶対もとに戻すという『根気』です。特に持ち手などの凹凸部やマグの内側は作業しづらいので、諦めない心が大事です。
失敗しないのが一番ですが、チタンマグは安いものではないので自分のお気に入りギアになるように大切に育てていきたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。