冬キャンプで多くの人が悩まされるのが、テント内の結露。
朝起きたら天井から水滴が落ちてきて、寝袋やギアがびしょ濡れ…そんな経験をしたことがある方も多いと思います。私自身も何度も結露に悩まされてきました。
そこで今回は、毎年冬キャンプに行っている私が実際に試して「効果があった」と感じた結露対策を5つ紹介します。どれも初心者でも取り入れやすい方法なので、ぜひ次のキャンプで試してみてください。
なぜ冬キャンプではテントが結露するのか?
残念ながら、冬キャンプのテント内では結露がつきものです。これを完全に防ぐことはできません。
なぜなら、結露は 「気温差」と「湿度」 が原因で発生するからです。
テント内は体温やストーブで温まりますが、薄い布1枚の外は冷たい外気。温かい空気に含まれる水分が冷たい壁面で冷やされ、水滴となって現れるのです。
たとえるなら「冬の窓ガラスに息を吹きかける現象」を拡大したようなもの。あっという間にテント内の布地が濡れてしまいます。
例えば、外気温5℃・室温20℃では湿度50%以上で結露が発生。室温が25℃になると、湿度35%以上でも結露してしまう計算になります。つまり、ちょっとした湿度でも簡単に結露は起こるのです。
結露を軽減するには、
- 内外の温度差を小さくする
- テント内の湿度を下げる
この2つのどちらかを工夫する必要があります。
では次に、具体的な『結露対策』を紹介していきましょう。
冬キャンプの結露対策〝5選〟
ここでは私が実際に取り入れている、効果的な結露対策を5つ紹介します。

テント内の空気を循環させて流れを作る
フライシート付近に空気が滞らないように、扇風機などを使って空気を循環させましょう。
冬にテント内で暖房を使うと、暖かい空気は上に溜まりやすく、その結果、天井から結露が発生することがあります。空気を循環させることで、フライシート付近の滞留空気を減らし、結露を防ぎつつテント内を均等に暖めることができます。
扇風機は夏キャンプでも活躍するので、この機会に一台用意しておくと便利です。
インナーテントを使って二重構造にする
インナーテントを使ったり、テントの中に小さいテントを入れるカンガルースタイルにすることで、フライシートとインナーテントの間に空気の層ができ、温度変化が緩やかになります。住宅の二重サッシで空気層を設けて断熱する仕組みに似ています。
フライシート自体は結露しますが、インナーテント内は結露しにくくなるため、シュラフや寝具が濡れてしまうのを防ぐことができます。
TC(ポリコットン)素材のテントを使う
これは「結露をなくす」というよりも、「結露した水をテントが吸収してくれる」方法です。ポリコットンとは、天然素材のコットン(綿)と合成繊維のポリエステルを混ぜ合わせた生地で、両方のいいとこ取りをした素材です。
ポリエステルは水を弾きますが、ポリコットンは吸湿性があるため、多少の結露であればテントが吸ってくれます。実際、朝起きてテントを触ると「少し湿ってるな」くらいで、水滴が垂れてくることはほとんどありません。これを知ってからは、私は冬キャンプでTCテントばかり使うようになりました。
石油ストーブで室温をコントロールする
石油ストーブでテント内の温度を20℃くらいに保つと、結露が少なくなります。
冬はつい暖かくしすぎてしまいがちですが、室温が上がるほど結露は発生しやすくなります。薪ストーブは火力調整が難しいですが、石油ストーブならダイヤルひとつで簡単に調整できます。
もし少し寒いと感じるなら、厚着をしたりカイロを貼ったりして調整すればOK。テント内の温度を上げすぎないようにするのがポイントです。
防水シュラフやカバーで寝具を守る
シュラフは空気の層で保温する仕組みです。結露で濡れてしまうとダウンが湿って空気層がつぶれ、保温力が落ちてしまいます。そのため、冬キャンプでは防水素材を使ったシュラフを選ぶと安心です。
新しく買い替えなくても、防水カバーをかけるだけで保温と防水の両方を強化できます。コストも抑えられるので、まずはカバーから試してみてもいいと思います。
結露が発生してしまった時の対処法
どれだけ対策しても、結露を完全に防ぐのはむずかしいです。テント内に水滴がついてしまったときは、次の方法で対処してみてください。
専用ワイパーや吸水タオルでふき取る
テント内で結露してしまったら、専用のワイパーや吸水タオルで拭き取るのがいちばん。普通のタオルだと吸水性が足りなくて、水滴を落とすだけになってしまい、かえってギアが濡れることもあります。
専用品ならしっかり吸ってくれるので安心です。冬キャンプでは一本持っておくと心強いですよ。
テント内を換気して湿度を下げる
水滴を拭き取ったあとは、しっかり換気してテント内の湿度を下げましょう。そのままにしておくと、ずっとジメジメした状態が続いてしまいます。
早めに換気しておけば、撤収までに乾きやすくなって片付けもラクになります。冬の朝は寒いですが、思い切って空気を入れ替えてみてください。
シュラフやギアを天日干し・乾燥させる
結露でシュラフやギアが濡れてしまったら、天気が良い日はキャンプ場でそのまま乾かしておきましょう。シュラフはテントのガイロープにかければしっかり風を通せます。
キャンプギアも濡れたまま片づけると、カビやサビの原因になってしまいます。大切なギアを長く使うためにも、しっかり乾燥させてから収納しましょう。
おわりに
冬キャンプの結露対策はいくつかありますが、完全になくすことはできません。だからこそ「なるべく軽減する工夫」と「発生したときの対処」をセットで考えておくと安心です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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