富士山の麓には、ふもとっぱらをはじめ人気のキャンプ場が点在しています。そのなかでも広大なフリーサイトとダイナミックな景色で知られるのが、朝霧ジャンボリーオートキャンプ場です。
このキャンプ場には複数のサイトがあり、場所ごとに雰囲気や見える景色が異なるのが特徴。どこに張るかでキャンプの印象が大きく変わります。
今回は10月の秋キャンプで訪れた体験をもとに、気温や気候、各サイトの雰囲気、場内設備、実際に感じたメリット・デメリットを詳しく紹介しています。最後にはサイトごとの富士山ビュー比較も載せているので、「どのサイトを選ぶか迷っている人」の参考になると思います。
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場とは?
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場は、静岡県富士宮市にある標高約800mの高原キャンプ場です。平地よりも気温が5℃ほど低く、夏でも涼しく快適に過ごせるのが魅力。
場内には全13のサイトが独立して広がっており、平日など空いている時期なら一つのサイトをまるごと独り占めすることも可能です。富士山の麓ならではのロケーションで、場所によっては目の前に壮大な富士山を眺めながら過ごすことができます。
敷地はとても広く、全サイトを歩いてまわると30分以上かかるほど。基本的に予約が必要な一部を除けばフリーサイトなので、好みの景色や広さを選んで、大型テントやタープを思い切り設営できるのもポイントです。

アクセス方法と駐車場
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場へのアクセス方法と、到着時の駐車場について紹介します。
アクセス
国道139号線を走り、「朝霧ヴィーナスガーデンゴルフコース」の看板を目印に曲がります。
この看板は富士宮方面から向かう場合は見やすいのですが、本栖湖方面から来ると気づきにくい場所にあるので注意が必要です。
曲がった直後に正面いっぱいに広がる富士山の景色は圧巻で、思わず車を止めたくなるほど。また、近くには「朝霧高原オートキャンプ場」という似た名前のキャンプ場があるので、間違えないように気をつけましょう。
駐車場
到着後の駐車場所は、曜日によって異なります。
- 平日:ゴルフ練習場「ヴィーナスガーデン」と共用の駐車場に停めてから受付へ。
- 休日:キャンプ場内の管理棟前にある専用駐車場を利用。
曜日によって駐車場と受付が変わるので、初めて訪れる場合は少し戸惑うかもしれませんが、入口には「本日のキャンプ場受付場所」の看板が立っているので安心です。

料金・予約方法とチェックインの流れ
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場の料金や予約方法、チェックインについて紹介します。
料金・予約方法
料金はトップシーズンかどうか、また車・バイクの種類によって細かく設定されています。詳しくは公式サイトで確認しましょう。
例えば、平日のソロキャンプなら1泊2,750円。周辺の人気キャンプ場と比べても、かなりリーズナブルな価格です。
予約は「公式サイト」または「電話」から可能ですが、公式サイトから申し込むと利用料が割安になるのでちょっとお得です。
受付・チェックイン
チェックイン・チェックアウトの時間はシーズンごとに変動します。こちらも料金ページを確認しておくと安心です。
受付場所
- 平日:ゴルフ練習場「ヴィーナスガーデン」
- 休日:キャンプ場内の管理棟
受付は平日はヴィーナスガーデンガーデン、休日は場内の管理棟になります。

チェックイン・チェックアウト時間
平日でもチェックインは8:30から可能。チェックアウトもトップシーズン以外なら16:00までと、のんびり撤収できるのがうれしいポイントです。
受付では「キャンプ場利用承諾書」に記入して料金を支払い、入場許可証を受け取ります。それを車のダッシュボードに置いて、いよいよサイトへ。
秋キャンプ(10月)の気温と気候
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場がある朝霧高原は、標高約800〜900mの高原地帯。そのため、日中は比較的暖かくても朝晩はぐっと冷え込むのが特徴です。
私が訪れたのは10月上旬。天気は快晴で、日中の気温はおよそ24℃。設営中は少し汗ばむくらいでしたが、風が心地よく、座って過ごすには半袖でも快適な陽気でした。
日が落ちると気温は徐々に下がり、18時頃には15℃を下回るほど。パーカーを1枚羽織ってちょうどよかったです。朝方には13℃前後まで冷え込みましたが、3シーズン用シュラフを使えばハンモック泊でも快適に眠れました。気温の変化が大きいので、重ね着できる服装を準備しておくと安心です。
実際の気温の推移は下のグラフの通り。

Pサイト体験レポート(特徴・雰囲気)
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場には複数のエリアがありますが、今回はPサイトを利用しました。
選んだ理由は、富士山が見える場所でハンモックを張りたかったから。Iサイトの方が立木が多くハンモック向きですが、チェックアウトの16時まで利用している人が複数組いたため、空いていたPサイトに決めました。
Pサイトは比較的傾斜が少なく、富士山ビューも楽しめるのが特徴。キャンプ場の奥に位置するため、人通りも少なく静かに過ごせます。さらに、炊事場やトイレが近いのも便利なポイント。個人的にはかなりおすすめのサイトです。
地面は粘土質で、鍛造ペグでなくても刺さりやすい印象。ただし、ペグを抜くときに土がまとわりつくので、撤収時に泥汚れを落とすのが少し大変でした。
また、この時期(10月)はクモが大量発生。木の周りにはまるでクリスマスツリーのイルミネーションのようにクモの巣と葉っぱが広がっていました。クモが苦手な人は、木の近くを避けた方が安心です。

場内設備(売店・トイレ・炊事場・シャワー)
売店
売店は受付と併設されており、薪や炭、食器類、トングなどのキャンプ必需品は一通り揃っています。
また、ビール・ジュースなどの飲み物も充実しているので、買い忘れがあっても安心です。
中でもおすすめは、朝霧高原の卵と牛乳を使った限定スイーツ「じゃんぼりープリン」。
なめらかで濃厚な味わいで、キャンプのデザートにぴったりです!

トイレ
トイレはすべてのサイトにあるわけではありませんが、サイト間に点在しておりアクセスは良好。基本的に炊事場とセットで設置されており、手洗いは炊事場を利用します。(※石鹸は備え付けられていないので持参を忘れずに)
男女別でそれぞれ洋式水洗トイレが2つずつ。ウォッシュレットはついていませんが、清掃が行き届いており清潔感があります。

炊事場
炊事場も同様に各エリアに点在しており、どのサイトからも比較的アクセスしやすい配置です。
残念ながらお湯は出ないので、油汚れはペーパーなどで拭き取ってから洗うのがおすすめ。
簡単に「余洗い」できる便利アイテムはこちらの記事で紹介しています👇


シャワー
シャワーはMサイトとIサイトの間、場内管理棟の近くに設置されています。
個室は2つのみで、トップシーズンは混雑しやすいため、時間帯をずらすのがコツです。
スペースは大人1人+子ども1人でちょうどいいくらいの広さ。
ゆっくり入りたい方は、車で約10分の「風の湯」(日帰り温泉)もおすすめです。

利用して感じたメリット・デメリット
実際に朝霧ジャンボリーオートキャンプ場を利用して感じた、良かった点と気になった点をまとめました。これから行く人の参考になれば嬉しいです。
メリット
サイト数が多いので自分の好きなサイトが見つかる
朝霧ジャンボリーには全13サイトがあり、それぞれ景観や雰囲気がまったく異なります。
「ふもっとっぱら」のような開放的な広場サイトから、木々に囲まれた静かな林間サイトまで幅広く、その日の気分やスタイルに合わせて選べるのが魅力です。
次はどこのサイトにしよう?と考えながら場内を散歩するのも楽しい時間です。
チェックアウトがゆっくり
トップシーズンを除けば、チェックアウトは16時までOK。朝もゆっくりコーヒーを淹れたり、昼食をとってから片付ける余裕があります。
他のキャンプ場だとデイキャンプ料金が発生するような時間設定なので、コスパ面でもありがたいポイントです。
デメリット
サイトによっては富士山が見えない
「富士山ビュー」が人気の朝霧ジャンボリーですが、すべてのサイトから見えるわけではありません。立木や地形の影響で、サイトによっては富士山が隠れてしまうこともあります。
次の項目で各サイトごとの富士山ビューを紹介しているので、訪れる前にチェックしてみてください。
サイト内は傾斜が多め
全体的にゆるやかな傾斜が多いサイト構成です。設営時は平らに見えても、実際に横になると意外と傾きを感じることも。気になる方はテント設営前に一度寝転がって確認しておくのがおすすめです。
サイトごとの比較|富士山ビュー・混雑度・傾斜
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場には個性豊かなサイトがたくさんあります。
ここでは、各サイトの特徴を3つの視点(富士山ビュー・傾斜・混雑度)で比較してみました。それぞれのサイトから見える富士山の写真も掲載しているので、予約や場所選びの参考にしてください。
G・J・K・Qサイトの4つは富士山が見えないため、富士山ビューの評価は省略しています。
ただしその分、人が少なく静かに過ごせる穴場サイトでもあります。「景色よりも静かな時間を楽しみたい」人にはちょうどいい場所です。
各サイトのまとめ・評価
【富士山】×:見えない △:少し見える ○:結構見える ◎バッチリ見える
【傾 斜】△:傾斜多め ○:傾斜少なめ ◎:ほぼ平ら
【混雑度】△:混雑しがち ○:そこそこ ◎:比較的少なめ
サイト名 | 富士山 | 傾 斜 | 混雑度 |
---|---|---|---|
G | × | 〇 | ◎ |
I | ○ | △ | ○ |
J | × | △ | ◎ |
K | × | △ | ◎ |
L | ○ | ◎ | ○ |
M | ◎ | ◎ | △ |
N | ◎ | 〇 | △ |
O | △ | ○ | ◎ |
P | ○ | ◎ | ○ |
Q | × | ◎ | ◎ |
広場 | ◎ | ◎ | △ |
AC(電源) | △ | ◎ | 予約制 |
プレミアム | ◎ | ◎ | 予約制 |
各サイトの富士山ビュー
Iサイト

炊事場付近

真ん中くらいの小高い丘から

一番奥
Lサイト

通路側
Mサイト

Iサイト側

炊事場付近

プレミアムサイト裏
Nサイト

Iサイト側(先端)

通路より手前(炊事場付近)

通路より奥(狭い方サイト)
Oサイト

炊事場側

Pサイト側
Pサイト

Qサイト側

Pサイト奥
広場サイト

広場サイト入口付近
AC(電源)サイト

電源サイトA~C付近(炊事場側)
プレミアムサイト

プレミアムサイト通路から
まとめ|おすすめは穴場のPサイト
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場は今回で2回目の訪問でしたが、来るたびに新しい発見がある楽しいキャンプ場です。
静かにのんびり過ごしたい私にとっては、平日ならほぼ完ソロ気分で過ごせる貴重な場所。
特にPサイトは人も少なく、富士山もよく見えるおすすめのサイトです。
季節や時間帯によってまったく違う表情を見せてくれるので、訪れるたびにまた行きたくなります。
これから朝霧ジャンボリーオートキャンプ場を訪れる方の参考になれば嬉しいです。

